健康寿命とは、自分の意思で日常生活を送ることができる期間のことです。医学の発達により、男女とも平均寿命は年々延びる傾向にありますが、病気や障害を抱えずに過ごすことのできる健康寿命は、平均寿命と比べて一般的に短くなります。これは、後期高齢者の人口増加や生活習慣病の増加などの影響で、介護や医療が必要になる人が増えているためです。健康寿命を延ばすことは、個人の生活の質の向上(QOL)や社会の経済的負担を軽減することにつながります。
予防医学とは、病気や障害を発生させないようにする、または早期に発見して治療することを目的とした医学の分野です。予防医学には、一次予防と二次予防、そして三次予防の3つの段階があります。一次予防は、健康の増進や、病気や障害を発生させないように未然に予防することで、例えばワクチン接種や健康教育などが該当します。二次予防は、早期発見・早期治療です。病気や障害が発生した場合に早期に発見して治療開始することで、例えば検診やスクリーニングなどが該当します。三次予防は、再発の防止や回復です。病気や障害の慢性化を防ぐために行うことで、例えば機能の維持のためのリハビリテーションや後遺症の回復治療などが該当します。健康寿命を延ばすためには、予防医学の各段階を積極的に利用することが重要です。また、日常生活で適度な運動や栄養バランスの良い食事、禁煙や節酒などの健康的な生活習慣を心がけることも必要です。健康寿命と予防医学の基礎知識を身につけて、自分の健康を守りましょう。